計画編で触れたとおり、復路はバリからガルーダ・インドネシア航空の国内線GA409でジャカルタへ移動し、翌朝のNH836に接続します。ANAの国際線区間と違い、この国内線区間だけ手荷物のルールが変わるため、準備編④としてまとめておきます。
現行ルール:エコノミーの受託手荷物は20kg
ガルーダ・インドネシア航空の国内線エコノミークラスは、受託手荷物が合計20kgまで無料です。重量制なので、個数の定めはありません。スーツケースを2つに分けても、合わせて20kgに収まっていれば追加料金はかかりません。機内持込は、手荷物とパーソナルアイテムを合わせて7kgまで、サイズは56×36×23cmが目安とされています。
この旅程は、往路が成田空港からデンパサール空港まで、復路がデンパサール空港から成田空港まで。往復で複数の航空会社にまたがるため、区間ごとに手荷物の基準が違うことを見落としがちです。とくにジャカルタ前泊の荷造りをする段階では、ガルーダ国内線の合計20kgを基準に重量を確認しておく必要があります。
往路の荷物は、マニラで一度受け取る
往路は一本道ではありません。成田→マニラで、荷物を一度受け取ります。マニラで入国して1泊するため、ここで一度フィリピンに入国するからです。翌日あらためてチェックインし直すことになります。
その先のマニラ→シンガポール→デンパサールは、荷物はスルーで運ばれます。シンガポールでの乗り継ぎでは受け取りません。マニラのカウンターで預けた荷物が、そのままデンパサールまで運ばれる形です。
往路と復路の旅程はこうなっています。
| 区間 | 便名 | 運航会社 | 無料受託手荷物 |
|---|---|---|---|
| 成田 → マニラ | NH819 | ANA | 2個(1個23kg) |
| マニラ → シンガポール | SQ915 | シンガポール航空 | 2個(1個23kg) |
| シンガポール → デンパサール | SQ944 | シンガポール航空 | 2個(1個23kg) |
| デンパサール → ジャカルタ | GA409(別発券) | ガルーダ・インドネシア航空 | 合計20kg(2026年8月末までの発券分) |
| ジャカルタ → 成田 | NH836 | ANA | 2個(1個23kg) |
ガルーダ区間の「合計20kg」は、2026年8月末までに発券された券の基準です。9月1日以降に発券された券なら、同じ区間でも1個・23kgに変わります。重量で見るか個数で見るかが、発券日で切り替わります。
マニラから先の2区間はシンガポール航空の自社便です。ANAの特典航空券で予約していますが、運航はシンガポール航空になります。
ここで必ずやっておきたいことが一つあります。マニラのカウンターで預けるとき、手荷物の控え(バゲージクレームタグ)の行き先がデンパサール(DPS)になっているかを確認してください。経由地までしか付けられていると、シンガポールで荷物だけ降ろされます。控えは受け取ったその場で目を通すのが確実です。
荷造りの観点では、マニラで一度預け直すタイミングがあることが効いてきます。往路のうちに機内持込を整理し直せる機会が一度あるということです。
ガルーダ国内線は、この航空券に含まれていない
表で「別発券」と書いた行が、この記事の前提そのものです。
デンパサール→ジャカルタのGA409は、ANAの特典航空券には含まれていません。ANA側の券は成田→マニラ→シンガポール→デンパサールで一度終わり、ジャカルタ→成田から再開します。その間をつなぐガルーダ国内線は、別に手配した1枚です。
これが手荷物に直接効いてきます。別発券の区間は、荷物を通しで預けられません。デンパサールで受け取って自分で預け直しました。ジャカルタでも1泊するので、到着後にそこでも受け取っています。往路のマニラと合わせて、この旅程では荷物を2回受け取り直したことになります。
別発券には、荷物以外のリスクもあります。ガルーダの券面には「同一の券番号に記載されていない接続便について、当社は一切の責任および補償を負わない」という趣旨の注意書きがあります。前の便が遅れて次の便に乗り遅れても、別発券なら救済されないということです。ジャカルタで前泊する旅程にしたのは結果的に安全側でした。
そして、ここが肝心なところです。ANA・シンガポール航空の券では全区間2個まで預けられますが、その許容量はガルーダの区間には一切引き継がれません。ガルーダ区間に適用されるのは、ガルーダの券に書かれた許容量だけです。往路で2個預けられたからといって、復路の国内線区間も2個とはならない理由がこれです。
2026年9月1日から制度が変わる点に注意
ガルーダ・インドネシア航空は、2026年9月1日以降に発券されるチケットから、受託手荷物のルールを「重量制」から「個数制(ピースコンセプト)」に切り替えると発表しています。新制度では、エコノミークラスの国内線で1個・最大23kgまでの受託手荷物が無料になります。
ただし、今回のように2026年9月1日より前に発券されたチケットは、搭乗日が9月以降であっても、発券時点のルール(今回で言えば合計20kg)がそのまま適用されます。2026年8月末までに発券された券は、個数ではなく合計20kgが基準ということです。今回は8月の搭乗なので迷いませんが、今後同じルートを計画する方は、自分のチケットがどちらの制度で発券されているかを事前に確認しておくと安心です。
2026年9月 追記:この新制度はすでに適用が始まっています。ガルーダ・インドネシア航空の公式サイト(Baggage Policy)によれば、ピースコンセプトは2026年9月1日以降に購入・発券されたすべてのチケットに適用され、同社が運航する全便が対象です。これから同じルートを予約する方は、以下の新基準で荷造りを組み立ててください。
荷造りで意識したこと
上限が合計20kgと決まっている以上、詰め方を工夫するより先に、持っていく量そのものを決める必要がありました。8日間の旅程で日数ぶんの着替えを持てば、それだけで20kgは現実的でなくなります。
そこで着替えは現地で洗う前提にして、持っていく服の枚数を減らしました。バリでは連泊するので、滞在中に一度洗ってしまえば後半は同じ服を回せます。20kgに収めるという制約に対して、いちばん効いたのはこの判断でした。実際にどのランドリーをどう使ったかは準備編⑤:現地ランドリーサービスの上手な使い方にまとめています。
そのうえで、荷造りの段階で意識したのは次の3点です。
- 着替えは日数ぶん持たない:現地のランドリーで洗う前提で枚数を絞り、往路の重量を最初から軽くしておく
- 現地での買い物分を見込んで余裕を持たせる:マニラ・バリでの滞在中に荷物が増えることを想定し、往路の時点で合計20kgぎりぎりまで詰めない
- 出発前に自宅で計量しておく:空港で慌てて詰め直すことがないよう、体重計を使って受託荷物・機内持込それぞれの重量を事前に確認する
- 機内持込は7kg基準で組み立てる:ANA国際線区間の機内持込基準とガルーダ国内線区間の基準が異なる場合があるため、より厳しい方の基準(7kg)に合わせて機内持込荷物を組む
超過した場合の追加料金は路線や時期によって変動するため、正確な金額は予約時または搭乗直前に公式サイトで確認するのが確実です。
出発前チェックリスト
受託手荷物が合計20kg以内に収まっているか、自宅で事前に計量する
機内持込(手荷物+パーソナルアイテム)が合計7kg以内に収まっているか確認する
現地での買い物分の余裕を、往路の荷造り段階で確保しておく
チケットの発券日を確認し、自分がどちらの手荷物ルール(重量制/個数制)の対象かを把握しておく
新制度(ピースコンセプト)の無料受託手荷物一覧
ガルーダ・インドネシア航空が公表した新制度の無料受託手荷物は、路線と搭乗クラスによって次のように整理されています。
| 路線 | クラス | 無料受託手荷物 |
|---|---|---|
| 国内線 | エコノミー | 1個・1個あたり23kgまで |
| 国内線 | ビジネス/ファースト | 2個・1個あたり32kgまで(計64kg) |
| 国際線 | エコノミー | 2個・1個あたり23kgまで(計46kg) |
| 国際線 | ビジネス/ファースト | 2個・1個あたり32kgまで(計64kg) |
今回のバリ(デンパサール)→ジャカルタのGA409はエコノミーの国内線区間なので、新制度では1個・23kgまでが該当します。旧制度の合計20kgと比べると重量そのものは3kg増えますが、注意したいのは「合計23kg」ではなく「1個につき23kg」で、しかも無料なのは1個だけという点です。旧制度の重量制なら20kgの範囲内でスーツケースとボストンバッグの2個に分けて預けることもできましたが、個数制では2個目から超過料金の対象になります。荷物を分散させるタイプの荷造りをしている場合、実質的には制約が強まる方向に働きます。
なお、1個あたりのサイズ上限(3辺合計)と、個数超過・重量超過時の料金体系については、公式サイトの一覧で確認できた範囲に明示がありませんでした。ここは要確認とし、予約時または搭乗前に公式サイトおよび発券された航空券の記載で確認してください。
発券日で適用ルールが変わる:自分のチケットはどちらの制度か
この移行で最も間違えやすいのが、搭乗日ではなく発券日で適用ルールが決まるという点です。ガルーダ・インドネシア航空の発表では、2026年9月1日より前に発券されたチケットについては、実施日以降の旅程であってもチケットに記載された許容量が引き続き適用されるとされています。
自分がどちらの対象かは、eチケット控えの手荷物欄(Baggage Allowance / FREE)の表記で見分けられます。
- 「20K」「20KG」のような重量表記:旧制度(重量制)。合計20kgまで
- 「1PC」「2PC」のような個数表記:新制度(個数制)。記載個数まで、1個あたりの重量上限が別途適用
旅行会社経由の予約や、日程変更にともなう再発券(リイシュー)を行った場合、発券日が新しく振り直されて新制度の対象になる可能性があります。変更を挟んだチケットを持っている方は、変更後のeチケット控えで手荷物欄を見直しておくのが安全です。再発券時の扱いの詳細は要確認です。
ANA国際線とガルーダ国内線、区間ごとに基準が違う
この旅程で荷造りが難しくなる本当の理由は、同じ旅の中で2社ぶんの手荷物基準が並走していることです。ANA公式サイトの記載とガルーダの新制度を並べると、差がはっきりします。
| 項目 | ANA国際線(エコノミー) | ガルーダ国内線(エコノミー・新制度) |
|---|---|---|
| 無料受託手荷物 | 運賃により0〜2個・1個あたり23kg(50ポンド)まで(この旅程の特典航空券では全区間2個) | 1個・23kgまで |
| 受託手荷物のサイズ | 3辺の和が158cm以内 | 要確認 |
| 機内持込の個数 | 手荷物1個+身の回り品1個の計2個 | 手荷物+パーソナルアイテム |
| 機内持込の重量 | 合計10kgまで | 合計7kg(本記事執筆時点の基準。最新の公式表記は要確認) |
| 機内持込のサイズ | 55×40×25cm・3辺の和115cm以内(座席数100以上の機材)/身の回り品は40×30×20cm以内 | 56×36×23cmが目安 |
表にすると、機内持込の重量基準がANAの10kgに対しガルーダは7kgという3kgの差が効いてくることが分かります。往路のANA区間で10kg近くまで詰めた機内持込バッグをそのまま復路のガルーダ国内線に持ち込むと、カウンターで預け直しを求められる可能性があります。記事前半で書いた「より厳しい方の基準(7kg)に合わせて機内持込荷物を組む」という方針は、制度が個数制に変わった後もそのまま有効です。
受託手荷物のほうも、ANA国際線エコノミーが最大2個なのに対しガルーダ国内線は1個。往路で2個預けられたからといって、復路も2個預けられるとは限りません。この旅程では復路のガルーダ区間が全体のボトルネックになります。
ANA上級会員(ダイヤモンド/SFC)の手荷物優待はガルーダ便で使えるか
ANAの上級会員にとっては、ここが一番気になるところだと思います。ANA公式サイトには次のように記載されています。
スター アライアンス・ゴールドメンバーのお客様は、ご搭乗クラスの無料手荷物許容量を+1個または適用となる無料手荷物許容量+20kgを無料でお預かりいたします。
ANAダイヤモンド、プラチナ、およびスーパーフライヤーズカード会員はスター アライアンス・ゴールドに該当するため、ANA便やスターアライアンス加盟航空会社の運航便では、この+1個または+20kgの優待が受けられます。
ただしガルーダ・インドネシア航空はスカイチーム(SkyTeam)の加盟航空会社です(同社公式サイトに「インドネシアで初めてスカイチームに加盟した航空会社」と明記されています)。したがって、スターアライアンスの上級会員資格にもとづく手荷物優待は、ガルーダ運航のGA409区間には適用されないと考えるのが基本です。復路のこの1区間だけは、上級会員のステータスによる上積みがない前提で荷造りする必要があります。
なお、ANAブロンズ(スター アライアンス・シルバー)についてはANAの当該ページに手荷物優待の記載がなく、扱いは要確認です。
※ここに実体験を追記(デンパサール空港のガルーダ・カウンターでのチェックイン時、ステータスや手荷物についてどのような案内があったか)
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年8月に発券したチケットで、9月以降に搭乗します。どちらのルールですか?
A. 発券日が2026年9月1日より前であれば、搭乗日が9月以降でもチケットに記載された旧制度(重量制)の許容量が適用されます。判断の基準は搭乗日ではなく発券日です。
Q. 20kgから23kgになって、実質的に有利になったのですか?
A. 1個だけ預けるなら3kg増えるので有利です。一方で無料で預けられるのは1個までなので、荷物を2個に分けて預けていた方にとっては制約が強まります。旅のスタイルによって有利・不利が分かれます。
Q. 成田で預けた荷物は、デンパサールまでスルーで運んでもらえますか?
A. この旅程では途中で一度受け取りました。成田→マニラの区間で受け取り、マニラで入国して1泊。翌日マニラで預け直した荷物が、シンガポール経由でデンパサールまでスルーで運ばれました。シンガポールの乗り継ぎでは受け取っていません。預けるときに、控えの行き先がDPSになっているかを必ず確認してください。
Q. 超過した場合の料金はいくらですか?
A. 路線や時期によって変動するため、本記事では金額を記載していません。予約時または搭乗直前に公式サイトで確認してください(要確認)。
Q. 機内持込は7kgと10kg、どちらに合わせればよいですか?
A. 厳しいほうの7kgに合わせて組むのが安全です。往路のANA区間で通っても、復路のガルーダ区間で引っかかれば意味がありません。
まとめ
- ガルーダ・インドネシア航空の受託手荷物は、2026年9月1日以降に発券されたチケットから個数制(ピースコンセプト)に移行した
- 国内線エコノミーの新しい無料許容量は1個・23kgまで。重量は増えるが、無料で預けられるのは1個だけ
- ガルーダ区間は別発券。ANA・シンガポール航空の券の2個という許容量は引き継がれず、遅延時の救済も別発券の範囲外
- 適用ルールを決めるのは搭乗日ではなく発券日。eチケット控えの手荷物欄が「20K」なら旧制度、「1PC」なら新制度
- 往路は成田→マニラで荷物を一度受け取り、マニラ→シンガポール→デンパサールはスルー。マニラで預けるときに控えの行き先がDPSかを確認する
- この旅程ではANA国際線とガルーダ国内線で基準が違い、機内持込はガルーダの7kgが全体のボトルネックになる
- ガルーダはスカイチーム加盟のため、ANAの上級会員(スター アライアンス・ゴールド)の手荷物優待は当該区間では期待できない
- サイズ上限と超過料金は公式で確認できた範囲に明示がなく要確認。予約時に必ず自分のチケットで確認する
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次回「準備編⑤」について
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