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ANA SFC LITEはスターアライアンス ゴールドではない|年300万円決済は「ゴールドの維持費」として妥当か

ANA SFC LITEのタイトルカード。左に「スターアライアンス ゴールドではない」の見出しと年300万円未満はシルバー扱いになる旨、右の地図に東京からフランクフルト・バンコク・シンガポールへ伸びる点線で、他社便で失う待遇を示している ANA
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先に結論

2028年4月から、ANAスーパーフライヤーズカードは年間決済額300万円を境に SFC PLUS と SFC LITE に分かれます。この変更を「ラウンジが混雑時に使えなくなる」と要約している記事を見かけますが、実際にはもう一段重い話です。

SFC LITE はスター アライアンス・シルバー扱いになります。ゴールドではありません。

そのうえで、年300万円という金額を「スターアライアンス ゴールドを維持する値段」として他の取得経路と並べてみると、見え方が変わります。結論は三つです。

  • 他社便(ルフトハンザ、シンガポール航空、ユナイテッドなど)に乗る人にとって、LITEへの降格は実害が大きい。失うのはANAのラウンジではなく、他社便での待遇です
  • ANA便にしか乗らない人にとっては、LITEでもANAラウンジは使えるため、実害は限定的です
  • 年300万円は、他の取得経路(ライフソリューション経由で400万円、他社提携カードでは取得不可)と並べると、ゴールドの値段としてはむしろ安い部類です

つまり分岐点は「300万円を払えるか」ではなく、「他社便に乗るか」です。以下、公式情報を当たって確認した内容を順に整理します。

2028年4月から、SFCは2つに分かれる

制度の要点だけ先に。年間決済額300万円以上でSFC PLUS、未満でSFC LITEになります。

  • 決済額の集計期間は2026年12月16日から2027年12月15日まで
  • 区分が反映されるのは2028年4月1日
  • 区分の決定は毎年実施され、以降も12月16日から翌年12月15日のサイクルで回り続けます

期間の途中で入会した場合も、集計期間の開始日は動きません。ANA公式のFAQには「ご入会日が含まれるご利用期間(12月16日~翌年12月15日)のANAカード・ANA Pay決済額をもとに、次年度の区分を決定します」とあります。2027年の夏に作った人は、残り半年で300万円を積むことになります。

何が300万円にカウントされるか、どのANAカードで回すべきかは別記事にまとめています。

ANA SFC新制度「年間300万円決済」はどのANAカードで回すか|年会費・還元率で徹底比較

PLUSとLITEで差がつくのは3項目

2026年9月29日の発表で、ANA公式に項目別の比較表が掲載されました。差がつくのは次の3つです。

項目 SFC PLUS SFC LITE
ラウンジ利用 ○ △ 国際線:利用可/国内線:混雑時を除き、利用可
SFCマイル特典 5,000マイル ×
スター アライアンスのステイタス スター アライアンス・ゴールド スター アライアンス・シルバー

「違うのは3つだけ」と読むこともできます。ただし3つ目の重さが、他の2つとは桁違いです。

「シルバー」になると、何が使えなくなるのか

ここがこの記事の中心です。ANA公式のスター アライアンス案内では、ゴールドとシルバーの特典差はこうなっています。

特典 スター アライアンス・ゴールド スター アライアンス・シルバー
空港ラウンジの利用 ○ ×
優先チェックインカウンター ○ ×
優先搭乗 ○ ×
手荷物の優先取り扱い ○ ×
受託手荷物許容量の優待 ○ ×
空席待ちの優先 ○ ○

シルバーに残るのは、空席待ちの優先順位だけです。ラウンジも優先搭乗も優先チェックインも手荷物の優待も、すべてゴールド限定の特典として設定されています。

なお、ANAのステイタスとの対応はこうなっています。ダイヤモンド/プラチナ/スーパーフライヤーズ会員がスター アライアンス・ゴールド、ブロンズ会員がスター アライアンス・シルバーです。つまりSFC LITEは、ANAのブロンズ会員と同じ扱いで他社便に乗ることになります。

ANAラウンジとスター アライアンスのラウンジは別建て

ここで混同しやすい点を整理しておきます。SFC LITEでも、ANA便に乗る限りANAラウンジは使えます。先ほどの比較表のとおり、国際線は利用可、国内線は混雑時を除いて利用可です。これはANAがスーパーフライヤーズカードの会員に対して独自に提供している特典で、スター アライアンスのステイタスとは別建てになっています。

失うのは他社便です。ルフトハンザでフランクフルトを経由するとき、シンガポール航空でチャンギを使うとき、ユナイテッドで北米国内線に乗るとき、タイ国際航空でバンコクに降りるとき。これらの場面でラウンジに入れなくなり、優先搭乗の列に並べなくなり、受託手荷物の許容量の上乗せもなくなります。

だから評価が人によって真逆になります。国内線中心でANAにしか乗らない人にとって、LITEへの降格はラウンジの混雑時制限とマイル特典5,000マイルの消失で済みます。一方、スター アライアンスのネットワークを使って海外を回る人にとっては、SFCを持っている意味の大半が消えます。

他の取得経路の「値段」と並べてみる

年300万円が高いか安いかは、単体では判断できません。スターアライアンス ゴールドを取得・維持する他の経路と並べます。

経路 必要なカード利用額 必要なフライト
ANAプラチナ(通常) 不要 50,000プレミアムポイント
ANAプラチナ(ライフソリューション利用) ANAカード・ANA Pay 400万円+7サービス以上 30,000プレミアムポイント
SFC PLUS(2028年4月以降) 年300万円 不要
SFC LITE(2028年4月以降) 300万円未満 不要

ライフソリューション経由のルートは、カード利用額が400万円と重いうえに、プレミアムポイントが30,000必要です。ゼロにはなりません。日本在住で一度も飛ばずにスターアライアンス ゴールドを取る経路は、調べた限り存在しませんでした。

他社の提携カードでは取れない

「ANA以外の経路はないのか」と考えて、日本で発行できるスター アライアンス加盟社の提携カードも一通り確認しました。結論として、保有するだけでスターアライアンス ゴールドが付くカードは見つかりませんでした。

MileagePlusセゾンプラチナカード(年会費55,000円)、MileagePlus MUFGカード・ゴールドプレステージ・アメリカン・エキスプレス・カード(16,500円)、クリスフライヤーVISAカード、Miles & More MUFGカード。いずれも公式ページにユナイテッドのプレミア資格やステイタス付与の記載はありません。カード名の「ゴールド」「プラチナ」はカードの等級であって、航空会社のステイタスとは無関係です。

ルフトハンザのMiles & More MUFGカードには、逆向きの記述があります。「HON Circle・セネターのステータスを保有されている限り、年会費無料」。ステイタスを持っている人がカードで優遇されるのであって、カードでステイタスが取れるわけではない。提携カード全体の構図が、この一文によく表れています。

なお、タイ国際航空のロイヤルオーキッドプラスVISAカードは2025年7月31日で新規申し込みの受付を終了しています。日本で選べる外資系の提携カードは減っています。

ホテル系の経路も確認しました。Marriott Bonvoyのチタンエリート以上でUnited MileagePlusのPremier Silverが付与されますが、これはスター アライアンス・シルバーであってゴールドではありません。そしてチタンエリートは年間75泊が条件です。カードの利用額では届きません。

並べてみると、年300万円という条件は、スターアライアンス ゴールドの値段としてはむしろ安い部類に入ります。重いのは金額そのものではなく、「毎年続ける」という点です。

300万円を回す実質コストを計算する

SFC PLUSを維持するコストは、年会費の差額だけではありません。300万円をANAカードに寄せること自体にコストがあります。

たとえば、もっと還元率の高いカードで払えば得られたはずのポイントを捨てている。この機会費用を足してはじめて、300万円の本当の値段が出ます。

考え方としてはこうなります。

  • PLUSとLITEの年会費の差額(券種によって異なります)
  • + 300万円分の決済について、他カードとの還元率の差 × 決済額
  • = PLUSを維持する実質コスト

仮に他カードとの還元率差が0.5%だとすると、300万円で15,000円分。1%差なら30,000円分です。年会費の差額より、こちらのほうが大きくなることも珍しくありません。

コストを下げる手段もあります。家族カードの利用分は合算対象です。ANA公式には「スーパーフライヤーズ本会員のお客様が保有するカード、およびそのカードに付随する家族カードのご利用分が合算の対象になります」とあります。世帯で分担すれば、一人あたりの「寄せる負担」は軽くなります。

逆に、カウントされない決済もあります。カードに付帯する電子マネーへのチャージ、年会費や各種手数料、そしてANAカードからANA Payへのチャージ金額は対象外です。ANA Payを多用している人は、思っているより積み上がっていない可能性があります。

どう判断するか:材料は3つ

判断の組み立て方を整理しておきます。材料は3つです。

  1. 年間の他社便搭乗回数。ここまで見てきたとおり、LITEへの降格で実際に失うのは他社便での待遇です。ゼロに近い年なら、失うものはSFCマイル特典5,000マイルと、国内線ラウンジの混雑時制限に限られます。
  2. いまのカード決済額。年300万円は月25万円です。固定費をすでにANAカードに寄せているなら届く可能性がありますが、何も寄せていない状態からだと、生活の支払い先をかなり作り変えることになります。家族カードの合算も含めて、現状の決済額から逆算してください。
  3. プレミアムポイントを自力で積める年かどうか。プラチナに自力で到達できる年であれば、SFCの区分に関わらずスター アライアンス・ゴールドです。SFCは「飛ばない年の保険」として効くものなので、飛ぶ年と飛ばない年のどちらが多いかで価値が変わります。

3つ目は見落とされがちです。2026年 ANAプレミアムポイント獲得実績【毎月更新】のように自分のPPの積み上がり方を記録しておくと、この判断はかなりしやすくなります。

判断は、いま確定しなくていい

ここまで書いておいて何ですが、現時点で結論を出す必要はありません。理由が2つあります。

1つ目。SFC LITEの国内線ラウンジ事前予約の具体的な仕組みが、まだ公表されていません。ANA公式は「2027年度中にあらためて案内」としています。混雑時に使えないという制限が実際にどの程度の不便になるかは、この仕組み次第で変わります。推測で埋めた記事も見かけますが、現時点では誰にも分かりません。

2つ目。最初の判定期間が終わるのは2027年12月15日、区分が反映されるのは2028年4月1日です。1年以上あります。途中で決済ペースを上げることも、諦めることもできます。

ただし、カードだけは2026年12月16日までに用意しておく必要があります。集計期間は入会日に関わらず12月16日に始まるので、カードを持っていない期間はそのまま積み上げ機会の損失になります。判断を保留することと、準備を保留することは別です。

よくある質問

Q. LITEになったら、ANAのラウンジも使えなくなりますか

いいえ。国際線は利用可、国内線は混雑時を除いて利用可です。使えなくなるのは他社便のラウンジです。

Q. 一度LITEになったら、PLUSには戻れませんか

区分の決定は毎年実施されます。翌年の集計期間で300万円に達すれば、その次の年度はPLUSになります。

Q. 家族カードの決済も合算されますか

合算されます。本会員が保有するカードと、それに付随する家族カードの利用分が対象です。

Q. ANA Payへのチャージは300万円に含まれますか

ANAカードからANA Payへのチャージ金額は対象外と記載されています。

Q. スターアライアンス ゴールドを、飛ばずにカードだけで取る方法はありませんか

日本在住で利用できる経路としては、調べた範囲では見つかりませんでした。ライフソリューション経由でもプレミアムポイントは30,000必要です。

まとめ

SFC LITEはスター アライアンス・シルバーです。シルバーに残るのは空席待ちの優先順位だけで、ラウンジ・優先搭乗・優先チェックイン・手荷物の優待はすべてゴールド限定です。ただしANA便に限れば、LITEでもANAラウンジは使えます。

年300万円は、他の取得経路(ライフソリューション経由400万円、他社提携カードでは取得不可)と並べれば、スターアライアンス ゴールドの維持費としてはむしろ安い部類です。判断の分岐点は金額ではなく、他社便に乗るかどうかです。

結論を出すのは2027年中で間に合います。ただしカードの用意だけは2026年12月16日までに。

本記事で確定できなかった点

ANA公式および各社公式を確認したうえで、記載を見つけられなかった項目です。推測では埋めずに残しています。

  1. SFC LITEの国内線ラウンジ事前予約の具体的な方法。申込方法・開始時期・枠数は「2027年度中にあらためて案内」とされており、2026年10月時点では公表されていません。
  2. ふるさと納税や税金・公共料金の支払いが300万円にカウントされるか。対象外リスト(電子マネーチャージ、キャッシング、年会費、手数料、ANAカードからANA Payへのチャージ)には含まれていませんが、明示的な記載もありません。
  3. MileagePlusセゾンプラチナカードおよびMileagePlus MUFGカード・ゴールドプレステージのステイタス付与。公式ページに付与の記載が「なかった」だけで、「付与されない」と明記されているわけではありません。
  4. Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードでプラチナエリートを獲得するために必要な年間カード利用額。アメックス公式には「カードご利用金額に応じて」とあるのみで、金額の記載を見つけられませんでした。

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参考にした公式情報

本記事の制度内容は2026年10月7日時点で各公式サイトを確認したものです。制度および各カードの条件は変更される可能性があるため、判断の前には必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。