ANAダイヤモンドサービスを続ける価値はあるのか

ANA

ANAダイヤモンドサービスは、旅の時間に少し余裕を与えてくれる特別なステータスです。

空港での手続きがスムーズだったり、ラウンジで落ち着いて過ごせたり、旅のはじまりから少しだけ余裕が生まれます。

一方で、維持するにはそれなりにお金も時間もかかります。
だからこそ、「本当に続ける価値があるのだろうか」と考えることもあります。

ANAダイヤモンドサービスがくれるもの

私自身は、ANAダイヤモンドサービスには十分な価値があると感じています。
ただ、それは特典が豪華だからというより、旅の時間が少しやさしくなるからです。

たとえば、混雑した空港でも慌てずに動けること。
出発前にラウンジでひと息つけること。
予定の変更が必要になったときに、少し安心して相談できること。

こうした一つひとつは小さなことのようでいて、旅を重ねるほど、そのありがたさを感じます。

誰にとって価値があるのか

特に、移動そのものも旅の一部だと思っている人にとっては、ANAダイヤモンドサービスの価値は思っている以上に大きいかもしれません。
目的地に着くだけでなく、その途中の時間まで心地よく過ごせるからです。

もちろん、誰にとっても必要なものではないと思います。
飛行機に乗る回数が少ない方や、ステータスにあまり魅力を感じない方にとっては、無理に目指す必要はありません。

続ける意味をどう考えるか

それでも、空港で過ごす時間も含めて旅を楽しみたい人、
少しでも快適に、少しでも落ち着いて移動したい人にとっては、
ANAダイヤモンドサービスを続ける価値はしっかりあるように思います。

ステータスは、持っていること自体が目的ではなく、旅を少し豊かにしてくれるものです。

そう考えると、ANAダイヤモンドサービスは、ただの特典の集まりではなく、旅の時間を整えてくれる存在なのかもしれません。

せわしない移動の中でも、少しだけ落ち着ける時間がある。
そんな旅を大切にしたい人にとって、ANAダイヤモンドサービスは続ける意味のあるステータスだと思います。


ここから下は2026年10月の追記です。上で書いた「続ける価値があるのか」を自分の数字で判断できるように、ANA公式サイトで確認した条件と金額を整理しておきます。数値はすべて2026年10月4日時点の記載にもとづきます。

【追記】ダイヤモンドを獲得・維持する条件

ステイタスは暦年(1月〜12月)に貯めたプレミアムポイント(PP)で判定され、獲得した資格は翌年4月から1年間有効になります。

ステイタス 必要プレミアムポイント うちANAグループ運航便で必要なPP
ダイヤモンド 100,000PP 50,000PP
プラチナ 50,000PP 25,000PP
ブロンズ 30,000PP 15,000PP

条件を年内に満たした場合は、達成した時点から翌年3月31日まで「プレミアムメンバー事前サービス」として上位ステイタスの特典を先行して使えます。早い時期に達成できれば、実質的に1年3か月ほど使えることになります。

この上には「ダイヤモンドサービス+More特典」という区分もあり、公式サイトでは150,000PP(うちANAグループ運航便80,000PP)と案内されています。逆に下側の例外として、ANAゴールドカードまたはANAプレミアムカードを持っている場合は、30,000PPに到達すればANAグループ運航便分が15,000PPに届かなくてもブロンズになる、という条件も設けられています。

【追記】プレミアムポイントはどう計算されるか

PPの計算式は次のとおりです。

区間基本マイレージ × 予約クラス・運賃種別ごとの積算率 × 路線倍率 + 搭乗ポイント

路線倍率

  • 国内線:2倍
  • ANAグループ運航の日本〜アジア・オセアニア・ウラジオストク線:1.5倍
  • それ以外の路線、およびスター アライアンス加盟社運航便:1倍

搭乗ポイント

区分 対象 搭乗ポイント
国内線
(2026年5月19日以降)
ファーストクラス/プレミアム運賃 400ポイント
エコノミー(標準) 200ポイント
エコノミー(シンプル) 100ポイント
割引運賃 0ポイント
国際線
(ANAグループ運航便)
予約クラス F/A/J/C/D/Z/P/Y/B/M 400ポイント
それ以下の予約クラス 0ポイント
スター アライアンス
加盟社運航便
積算率100%以上の運賃 400ポイント
それ以外 0ポイント

PPは暦年で締められ、翌年に繰り越すことはできません。12月の時点で足りなければ、その年はそこで終わります。

【追記】飛ばずに条件を緩める「ライフソリューションサービス」

ANAには、ANAグループのサービス利用数とANAカード/ANA Payの年間決済額を組み合わせることで、必要PPを引き下げる制度があります。公式には「ライフソリューションサービス利用が多い方のステイタス獲得条件」と呼ばれています。

対象サービスは全15種類で、うちANA MallとANAトラベラーズの2つは必須です。残りはANAの保険、ANAでんき、ANAカードマイルプラス、ANA Pocket、ANAモバイルなどから選ぶ形になります。

ステイタス 必要サービス数 緩和後の必要PP
(ANAグループ運航便のみ)
ANAカード/ANA Pay 年間決済額
ダイヤモンド+More特典 7サービス以上 150,000PP 600万円
ダイヤモンド 7サービス以上 80,000PP 400万円
7サービス以上 50,000PP 500万円
プラチナ 7サービス以上 30,000PP 400万円
ブロンズ 4サービス以上 15,000PP 300万円

対象期間は条件ごとに違います。2027年度のステイタスを狙う場合、条件1のPPは2026年1月1日〜12月31日、条件2のサービス利用数と条件3の決済額は2025年12月16日〜2026年12月15日です。年末の駆け込みを考えるときに、締め日が半月ずれている点は押さえておきたいところです。

ここで見落としやすいのが、緩和後のPPの数え方です。公式サイトでは条件1が「年間の獲得プレミアムポイント(ANAグループ運航便ご利用分のみ集計対象)」と定義されています。つまりどのステイタスでも、緩和後に必要なPPはすべてANAグループ運航便で積む必要があります。スター アライアンス加盟社の便で積んだPPは、この条件では数えられません。

通常の獲得条件が「100,000PPのうちANAグループ運航便50,000PP」と一部だけを求めているのに対し、緩和条件は全量がANA便です。決済でPPのハードルを下げても、乗る相手はANAに寄せることになります。

いずれにしても、緩和されてもPPそのものは必要です。まったく飛ばずにダイヤモンドを取る道はない、というのがこの制度の設計だと思います。

【追記】ダイヤモンド・プラチナ・SFCでラウンジはどう違うか

ラウンジ ダイヤモンド プラチナ SFC会員
国内線 ANA SUITE LOUNGE 本人のみ利用可 利用不可 利用不可
国内線 ANA LOUNGE 本人+同伴1名 本人+同伴1名 本人+同伴1名
国際線(羽田・成田)ANA SUITE LOUNGE 本人のみ利用可 利用不可 別記事で詳述
国際線(羽田・成田)ANA LOUNGE 利用可 利用可 別記事で詳述

SFC会員の国際線ラウンジの条件は、2028年4月の制度変更で区分によって変わります。そちらはANA SFC新制度「年間300万円決済」はどのANAカードで回すかで整理しているので、あわせてご覧ください。

本文で「ラウンジで落ち着いて過ごせたり」と書きましたが、ダイヤモンドとプラチナの差がいちばんはっきり出るのはここだと思います。国内線のANAスイートラウンジはダイヤモンド会員本人のみで、プラチナでもSFCでも入れません。同伴者も対象外になります。逆に言えば、ダイヤモンドを降りたときに実際に失うもののうち、もっとも具体的なものがこのラウンジということになります。

実際に使ってみると、スイートラウンジとANAラウンジは、設備・食事・混雑状況のどれも違います。国内線でも国際線でも、同じように差があります。

設備でわかりやすいのは、国内線でも羽田空港のスイートラウンジにはシャワーがあることです。

食事は時間帯でも変わります。国内線のスイートラウンジでは17時以降に特別なメニューが追加されて、羽田空港はカレー、伊丹空港はカツサンドが出てきます。国際線になるとお寿司やビーフシチューがメニューに並び、お酒の種類も多くなります。

※ラウンジのメニューは時期によって変わることがあります。

【追記】2028年4月の制度変更が「続ける価値」に与える影響

これまで「ダイヤモンドを続けるか」を考えるとき、多くの人にとっての安全網はスーパーフライヤーズカード(SFC)でした。プラチナ以上に一度到達してSFCを作っておけば、その後飛ばなくなってもANAラウンジとスター アライアンス ゴールドが残ります。だから「続けるのがつらくなったらSFCに降りればいい」と考えることができました。

2028年4月1日から、その安全網に条件が付きます。

区分 条件 ANAラウンジ スター アライアンス ボーナスマイル
SFC PLUS 年間決済額 300万円以上 制限なく利用可 ゴールド 5,000マイル
SFC LITE 300万円未満 国際線は羽田・成田・ホノルル/国内線は混雑時を除き利用可(事前予約制) シルバー なし

ここは一度情報が変わっているので注意が必要です。当初の発表ではSFC LITEはANAラウンジが利用できないとされていましたが、2026年9月29日の見直しで上の表のように緩和されました。国際線はANAグループ運航便に搭乗する場合に羽田・成田・ホノルルのANAラウンジが使えて、国内線は混雑時を除いて使えます。国内線については事前予約の仕組みが導入されますが、具体的な方法は2027年度中にあらためて案内されるとのことです。

決済額の集計期間は12月16日から翌年12月15日までの1年間で、最初の判定は2026年12月16日から始まります。対象になるのは券面に「ANA CARD」と記載のある日本国内発行のANAカードとANA Payの決済で、家族カード分は本会員に合算されます。電子マネーへのチャージやキャッシング、年会費・各種手数料は対象外です。

100万ANAライフタイムマイル(ミリオンマイラー)に到達していれば、決済額にかかわらずSFC PLUSになります。ただし5,000マイルの進呈は、年間決済額が300万円以上だった場合のみです。また新規入会時は、ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイルに到達している人を除き、一律SFC LITEからのスタートになります。

つまり「ダイヤモンドを降りたあとSFCで繋ぐ」を前提にしている人は、降りたあとも年間300万円の決済を続けられるかどうかまで含めて考える必要が出てきました。ダイヤモンドを続ける価値を測るときの比較対象が、これまでの「SFC」から「条件付きのSFC」に変わった、というのが今回の変更のいちばん大きいところだと思います。

なお、ダイヤモンドやプラチナそのものの資格取得条件が2028年に変更されるという発表は、2026年10月4日時点でANA公式サイトに見当たりませんでした。今回の制度変更はSFCの会員区分に関するものです。

【追記】維持コストをどう見積もるか

「価値があるか」を数字で見るなら、PP単価(かかった費用 ÷ 獲得したPP)で考えるのがわかりやすいと思います。ダイヤモンドの100,000PPをPP単価10円で積めば約100万円、PP単価8円なら約80万円という計算になります。

PP単価 ダイヤモンド(100,000PP)の目安費用 プラチナ(50,000PP)の目安費用
6円 約60万円 約30万円
8円 約80万円 約40万円
10円 約100万円 約50万円
12円 約120万円 約60万円

※単純にPP単価を掛けただけの概算です。実際には運賃の組み方や路線で変わります。

ただ、この表だけでは判断できない部分があります。行きたい場所に行くついでに積んだPPと、PPのためだけに乗った区間とでは、同じPP単価でも意味がまったく違うからです。本文で書いた「移動そのものも旅の一部だと思っている人」にとって価値が大きいというのは、たぶんこのことでもあります。乗ること自体が目的に含まれているなら、費用の一部はもともと払うつもりだったお金になります。

自分の場合は、この「乗りたくて乗ったか」の割合が100%です。PPのためだけに乗った区間はありません。行きたい場所へ行った結果として積み上がったものなので、同じ金額でも「ステイタスのために払ったお金」という感覚にはなっていません。

区間ごとの実際の獲得PPは2026年 ANAプレミアムポイント獲得実績に記録しています。ただし各区間に支払った運賃は記録していないため、実際のPP単価は算出していません。上の表はあくまで目安として見てください。

よくある質問

Q. ダイヤモンドの資格はいつからいつまで有効ですか

暦年(1月〜12月)に貯めたPPで判定され、翌年4月から1年間有効です。条件を年内に達成した場合は、達成時点から翌年3月31日まで事前サービスとして特典を先行利用できます。

Q. プレミアムポイントは翌年に繰り越せますか

繰り越せません。暦年で締められ、翌年はゼロから積み直しになります。

Q. ダイヤモンドとプラチナで、ラウンジはどう違いますか

国内線のANA SUITE LOUNGEはダイヤモンド会員本人のみが利用できます。プラチナとSFC会員はANA LOUNGEまでです。ここが実利としていちばんはっきりした差になります。

Q. まったく飛ばずにダイヤモンドを取れますか

取れません。ライフソリューションサービスとANAカード決済を組み合わせた緩和条件でも、50,000PPから80,000PPのプレミアムポイントは必要です。しかも緩和条件のPPはANAグループ運航便で積んだ分だけが対象なので、提携社便で代用することもできません。

Q. ダイヤモンドをやめたらどうなりますか

プラチナ以上に到達していた時期にスーパーフライヤーズカードを作っていれば、カードを保有し続けることでANAラウンジとスター アライアンス ゴールドが維持できます。ただし2028年4月1日以降は、年間決済額300万円以上でなければSFC LITEとなり、スター アライアンス シルバーに下がります。ANAラウンジについては、国際線は羽田・成田・ホノルル、国内線は混雑時を除いて利用できる形に緩和されています。

Q. スーパーフライヤーズカードはいつ申し込めますか

ダイヤモンドサービスまたはプラチナサービスのメンバーであること、もしくは100万ANAライフタイムマイル以上に到達していることが条件です。ブロンズでは申し込めません。

追記のまとめ

  • ダイヤモンドは年間100,000PP(うちANAグループ運航便50,000PP)。暦年判定で繰り越しはなく、資格は翌年4月から1年間です。
  • PP単価10円で積むなら年間約100万円が目安。ただし「乗りたくて乗った区間」がどれだけ含まれるかで、同じ金額でも意味が変わります。
  • ダイヤモンドとプラチナの最も具体的な差は、国内線ANA SUITE LOUNGEを本人が使えるかどうかです。
  • ライフソリューションサービスによる緩和条件はありますが、PPそのものは必要です。しかも緩和条件のPPはANAグループ運航便のみが対象なので、飛ばずに取る道はありません。
  • 2028年4月1日以降、SFCは年間決済額300万円を境にPLUSとLITEに分かれます。「降りてもSFCがある」という前提が条件付きになった点が、続ける価値を考えるうえで新しい変数になります。
  • ただしSFC LITEでもANAラウンジが一切使えなくなるわけではありません。2026年9月29日の見直しで、国際線は羽田・成田・ホノルル、国内線は混雑時を除いて利用できる形になりました。

参考にした公式情報

本追記の条件・数値は2026年10月4日時点でANA公式サイトを確認したものです。制度は変更される可能性があるため、実際に判断する際は必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。


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